相続コラム

相続税申告の税理士を変更する!メリット・デメリットや正しい選び方

「相続税の申告を税理士に依頼したけども、どうも税理士が頼りない。」
このように感じる場合に、税理士を変更することができないのでしょうか。
結論から言うと税理士を変更することも可能ですが、注意点もあります。
このページでは税理士の変更についてお伝えします。

相続税申告の税理士は変更できるのか

相続税申告の税理士は変更できるのでしょうか。
相続税申告を税理士に依頼する場合、依頼者と税理士の間には、委任契約が成立しています。

委任契約は民法651条で、当事者はいつでも解除することができると定められていますので、相続税に申告のために税理士に依頼した場合でも、途中で解除をすることができます。

冒頭のように税理士が頼りない場合はもちろん、税理士の態度が高圧的である場合や、極端な話特に理由がなくても契約を解除できます。

税理士を変更するメリット

税理士を変更するメリットは次の通りです。

 

  • 1ストレスなく相続税申告をすすめることができる
  • 2相続税の過大申告を防げることがある
  • 3税務調査に入られる可能性が下がる

ストレスなく相続税申告をすすめることができる

相続税申告は、長期化にわたって依頼者・税理士で協力して進めていくものになります。

依頼までは特に問題がなかったものの、依頼をしたあとにどうしても税理士や担当者の態度が悪く、気持ちよくやり取りができないということがあります。

そのような状態ですと、お互いの連絡もうまくいかず、適正な申告ができなくなる可能性も否定できません。税理士を変更することで、ストレスなく相続税申告をすすめることができます。

相続税の過大申告を防げることがある

依頼をした税理士が実は相続税に詳しくないような場合には、適切な相続税申告が期待できません。

計算しなくても良い遺産を計算に入れたり、受けられる控除や非課税の制度を見逃されて申告がされると、相続税の過大申告に繋がります。

また、10ヶ月の期間制限に間に合わないようなことがあると、延滞税などもかかります。 相続税に詳しい税理士に変更することで、相続税の過大申告を防げることが期待できます。

税務調査に入られる可能性が下がる

いいかげんな申告をして申告書に不備があると、税務署からの税務調査に入られることになります。

相続税に関する税務調査は、所得税や法人税のケースにくらべて実施される割合も多いので、慎重に行うべきです。

資産が多い・複雑であるような場合には、慎重に申告すべきなので、税務調査の傾向を踏まえた申告をすることができる税理士に変更するほうが、税務調査に入られる可能性が下がることが期待できます。

税理士を変更するデメリット

一方で、相続税申告の税理士の変更には次のようなデメリットがあります。

 

  • 1スケジュールがタイトになることがある
  • 2税理士報酬の負担が大きくなる

スケジュールがタイトになることがある

相続税申告までのスケジュールがタイトになることがあります。 相続税申告は、相続開始を知ったときから10ヶ月以内に行う必要があります。

相続開始から5ヶ月が経った頃に一度税理士に依頼し、4ヶ月を経過してもなお相続税申告ができていないと、残りは1ヶ月です。

この時点で前の税理士がほとんど手をつけられていないような状態だと、残り1ヶ月で後任の税理士が申告を行わなければならないことになり、非常にスケジュールがタイトになってしまいます。

 

相続税申告は、被相続人の全ての財産を把握し、調査を行った上で評価作業を行なっていくため、財産の量にもよりますが、基本的にかなり時間がかかるものです。

 

このため、申告期限まで残り1〜2ヶ月しか残っていないタイミングで税理士を変えたいと思っても、後任の税理士が見つからなかったり、見つかったとしてもスケジュールがタイトなせいで期限内に正確な申告ができず、後から修正申告をする事になり、余計な税金や税理士報酬を支払うことにもなりかねません。

税理士報酬の負担が大きくなる

税理士報酬の負担が大きくなることがあります。従来の税理士の委任を解除した場合、税理士との契約内容によって、報酬の一部の支払いをしなければならない可能性があります。

着手金などですでに支払っている場合でも、すべてを返還してくれるわけではありません。その上で、新たに税理士に依頼をするので、税理士報酬の負担は大きくなります。

また、スケジュールがタイトな場合には、割増料金での依頼になることがあるので、その意味でも税理士報酬の負担は大きくなります。

相続税申告を依頼する税理士の選び方とポイント

できれば、税理士を変更しないで依頼できることがベストですし、税理士の変更をするのであれば、今度こそ税理士選びに失敗しないように慎重に検討をすべきことになります。 そこで、相続税申告を依頼する税理士の選び方と、選ぶ際のポイントを知っておきましょう。

 

  • 1成功報酬を謳っている場合は気を付ける
  • 2報酬が極端に安い場合は気を付ける
  • 3懲戒処分を受けている税理士には依頼をしない
  • 4相続税申告の実績が豊富にある
  • 5担当者が税理士資格を持っている
  • 6二次相続の提案がある
  • 7税務調査率が低い
  • 8不動産評価に強みがある
  • 91社だけでなく2〜3社の面談を受けてみる

成功報酬を謳っている場合は気を付ける

まず、相続税申告について「成功報酬」を謳ってる場合には、注意が必要です。成功報酬とは、その名の通り成功(相続税申告の場合には相続税の申告・納税が無事終了)したときに報酬を請求できるとするものです。

この報酬体系の場合、相談料や依頼をされた段階で支払うことになる「着手金」の支払いは必要ないということを売りにしますので、依頼しやすくなります。

しかし、成功報酬とされるものは、費用をトータルで考えた場合に、一般的に費用が高額になりがちです。また、相続税申告は、成功報酬になじまないものもあります。

例えば、いわゆる名義預金とされるものについて、申告しなければならないかどうかの検討をします。予想される金額はこれくらいだったけども、実際に検討をした場合にはもっと少なかったような場合に、その差額に一定の率を乗じた金銭を最高報酬として請求することが考えられます。

どれくらいの予想をするかによって「減額」とされる幅が異なるので、報酬が不明確になりがちである上に、その検討自体で申告につながっているわけではないので、そもそも成功報酬という考え方にそぐわないといえます。

成功報酬のみとする場合には、依頼のしやすさはありますが、報酬が高くなるものではないか、きちんと確認して相談・依頼をしましょう。

報酬が極端に安い場合は気を付ける

税理士報酬が極端に安い場合も注意しましょう。相続税申告の税理士報酬は決して安いものではありません。そのため、少しでも報酬は安いほうがいい、と考えることに無理はないです。

しかし、相続税申告の税理士報酬が割高なのは、それだけ相続税申告が難解で専門的な知識と経験が必要であるためです。その報酬が極端に安いということは、実績・ノウハウが無いようなことが考えられます。

その結果、税理士費用は安くても、納める相続税が高くなってしまうということが有りえます。また、安くできるのは特定のケースのみで、実際に依頼するとその安いケースで依頼できずに割高な費用で依頼しなければならないということも考えられなくはありません。

税理士報酬が極端に安い場合には、安い理由に注意が必要です。

懲戒処分を受けている税理士には依頼をしない

税理士の中には、例えば脱税を指南するなど、税理士としてあるまじき行為をする者がいます。

そのような税理士は国税庁から懲戒処分を受けることになり、その処分はインターネットで公表されています。 (参考:税理士等に対する懲戒処分等|国税庁)(URL:https://www.nta.go.jp/taxes/zeirishi/chokai/chokai.htm)

依頼にあたって懲戒処分を受けている税理士には依頼しないようにしましょう。

相続税申告の実績が豊富にある

相続税申告を依頼する税理士を選ぶ一番の基準は、相続税申告の実績が豊富にあるです。

相続税申告の実績が多ければ多いほど、節税できるポイントや、税務調査で指摘されやすいポイントなどを熟知しているので、安全に・確実に相続税申告を任せることが可能です。

相続税申告のような「資産税」と呼ばれる分野については、個人を対象としていることもあって、ホームページで実績公開をしている税理士が多いので、ホームページを参考にしましょう。

また、相談時に即座に答えてくれるか、検討して後日回答をくれるか、といったことも実績があるかどうかを推測する材料になります。

二次相続の提案がある

二次相続に備える提案ができる事務所かどうかも判断の一つの要素です。二次相続とは、最初の相続の相続人が被相続人となる相続をいうことが多いです。

典型的なのが、夫婦の一方が亡くなったあとに、もう一方が亡くなって相続が発生する場合を言います。夫婦の一方が亡くなった場合、いずれもう一方も亡くなることになるのですが、その場合にも相続税申告が発生することになります。

一次相続のみに着目すると、配偶者が得られる配偶者控除などは有効ですが、配偶者の方が亡くなったあとのことを考えると、配偶者控除をたのみにして配偶者に遺産を集めてしまうことは、一家での納税をトータルで考えると良くない場合などもあります。

二次相続が発生しうる状況では、二次相続を想定した提案ができる税理士かどうかをチェックしましょう。

税務調査率が低い

税理士事務所の中では、実績と一緒に税務調査率を公開していることがあります。税務調査は、財産が多かったり、資産の内容が複雑である場合には、適正な申告をしていても入るときは入るので、ゼロというわけにはいきません。

しかし、それでも税務調査で調べられるポイントを掴んでいる税理士は、税務調査がされないように申告書や添付書類に工夫をして申告をします。そのため、税務調査率は低いです。税務調査率がどのくらいかをチェックするのも重要です。

不動産評価に強みがある

相続財産に不動産がある場合、不動産の評価をする必要があります。不動産はどうしても価値が大きいものになるため、どのような評価で価額が計算されるかによって、相続税額に影響する可能性が高いです。

不動産については、不動産の形状によって評価が異なります。例えば、いわゆる角地や二方向で道路に接しているような場合には使い勝手がよいのでプラスの評価になりますが、細長い形状や奥行きがないような土地の場合は使い勝手が悪くマイナスの評価となります。

不動産を保有している場合には不動産評価に強い税理士に依頼すべきです。

1社だけでなく2〜3社の面談を受けてみる

税理士事務所への相談は1箇所のみしか行うことができないわけではなく、何箇所も相談することは可能です。これは、相談が無料でも可能です。

2~3箇所くらい相談をしてみて、信頼できる税理士に依頼をすることをおすすめします。

まとめ

このページでは、税理士の変更ができることと、税理士を選ぶ基準についてお伝えしました。

税理士の変更は可能ですが、できれば最初から変更しないで申告を行いたいですし、不幸にも変更することがやむをえない場合には、再度の変更は避けたいです。

経験豊富な弊所にまずはご相談ください。